僕の孤独が魚だとしたら…『フィッシュストーリー(2009)』
"僕の孤独が魚だとしたら、
そのあまりの巨大さと獰猛さに、
鯨でさえ逃げ出すに違いない
僕の挫折が魚だとしたら、
そのあまりの悲痛さと滑稽さに、
川にも海にも棲み処がなくなるだろう。"
「なぁ、誰か聞いてんのかよ 届いてんのかよ コレすっげえいい曲なのに……誰にも届かないのかよ
ウソだろ…この曲は誰に届くんだよ………届けよ、誰かに…頼むから………」
五郎の素朴な問いかけが、拳となって胸を突く。
ミュージシャンも詩人も画家も発明家も。
何かを生み出すことを営みとするすべての人の共通の叫びだったと思う。
今目の前で、わかりやすい評価が得られなくても。
その営みは時空を超えて。きっときっと誰かに届く。
自分自身が迷子になった時の原点になるような物語だった。
映画の最後の方で、この映画が伊坂ワールドであることを知った。
あぁ、そうか。どうりで。この世界の端々に優しさが溢れ出ているわけだ。
小説も読むとしよう。
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