引き寄せ力、なるもの

よいものに関わっていると、どうもよいものを引き寄せる力が自ずと備わるようだ。

恐らく、波動・バイブレーション的なものが共鳴するのだろうと思う。

※スピリチュアルな話ではない。

前回の東京出張で、タイミングよくある大きな合同展に伺うことができたのだが、

実はあまり心を動かされなかった。妙に乾いていた、自分の感覚が。

新進気鋭の台湾デザイナーも来日していて、確かに華やかで素敵で…

でも、何というか、何かが違った。うまく表現できないのだけど。

実はそのことがある意味少しショックで、

自分の感性が、とうとう枯れてしまったのか…と思った。

ものが溢れ過ぎて、何も感じなくなっているのではないか、と。

例えばそれは、何もかもが揃うデパートメントの中で、

何にも反応できないような無の感覚に近いもの。

それはとても退屈でつまらない、空しい感覚だ。

でも、違った。私は枯れていたわけではなかった。

よいものに出合ったとき、私は身体の内側から温かくなり、潤うのを確かに感じる。

あまり知られていなくとも、素晴らしいクリエイションを続けるヒトと、

その手によって生み出される価値あるものは確かに存在する。

そして、それは間違いなく感動を与えてくれる。

つまりは、イノウエブラザーズの活動をサポートするようになって、

私自身、よいものを引き寄せる力がますます強くなり、

結果、琴線に触れるものの基準が変わっただけのことだった。

衣食住どの分野においても、よいものに囲まれれば、当然目も舌も、感性も肥える。

ただそれは、バブルの時代のように、高ければよい、というゲンキンな捉え方ではなく、

もっと真価(そのものやコトに対する本当の価値)を見つめて、感じ取る時代になっていると思う。

またそれは、近年の「安くて今っぽければいい」という

消費主義的かつ空虚な流れとも違う道を示している。

時代の価値観は少しずつ変容している。それも、きっといい方向に。

真価を見つめ、自分がよいと感じるもの・コトをていねいに選ぶこと。

その繰り返しが、自分自身の豊かな人生と未来に繋がる…と、私は今、確かに信じている。

※写真はイメージです。

NOVELLUS

人生は 酒と 宝石と 文学と

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